準強制性交事件(改正前の準強姦事件)において、警察への被害届提出前に被害者と示談し、刑事事件化することなく解決した事例
事案の概要
ご本人は、マッチングサイトで女性と知り合い、飲酒を伴う食事をしていたところ、飲酒の影響で意識がもうろうとしていた女性に性交渉をしようと誘い、女性が明確な拒絶をしなかったため、そのまま性交渉に及びました。
その後、女性は、当時は飲酒の影響で意識がほとんどなく抵抗できないままに性交渉を強いられたとして、警察に被害相談をしている状況でした。
相談を受けた警察としては準強制性交事件として具体的に今後の捜査を予定している状況でした。
結果
ご本人から詳しく事情を伺ったところ、状況からして当時の女性が心神喪失や抗拒不能の状態にあったと言い切れるのか微妙な状況でした。そのため、準強制性交罪は成立しないとして争うことも1つの選択肢としては考えられました。
しかしながら、ご本人としては、当時の女性の様子からして抵抗できない状況にあったことに間違いはなく、誠実に謝罪した上で適切な賠償を行った上で解決を図りたいとのことでした。
女性はすでに警察に被害の相談をしている状況でしたが、被害届については提出前の状況でした(数日後には被害届の提出が予定されており、直前の示談成立でした)。
示談成立に伴い、女性からは、ご本人を許し、以後、被害届を提出しないというお約束をいただけたため、これにより、刑事事件化することなく解決することができました。
担当弁護士からのコメント
強制性交(準強制性交)をはじめとするいわゆる性犯罪は、それにより被害者に計り知れないほどの大きなダメージを与える犯罪であり、絶対に許されるものではありません。
しかし、万が一、性犯罪をしてしまった場合には、被害者に対し、誠心誠意お詫びし、被害者に生じているダメージを少しでも和らげられるよう、誠意を尽くすことが重要です。
今回は、被害者にお許しいただき、示談に応じていただくことができましたが、被害者に生じたダメージの大きさを十分に理解し、二度とこのようなことを行わないよう、真摯に反省していただきたいと思います。
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